化粧品業界では、現在でも「こっくり」という言葉がよく使用されていますが、その定義や使い方には様々な解釈が存在するように感じます。
この言葉が誕生したのは、少なくとも10年以上前のことです。
当時、化粧品業界の商品企画担当者たちが新製品の企画を進める中で、この表現を使い始めたと認識しています。
ただし、具体的に最初にこの言葉を思いついた人物やその経緯については詳細は残っていません。
当時は、以下のようなニュアンスでこの言葉が広まっていきました。
「こっクリ」 = こってりとしたクリーム
スキンケアクリームの開発内容について話す際に、濃厚なテクスチャーのクリームを指して「こってり」と表現していました。
しかし、年月が経つにつれて、異なる定義で使用されているケースをよく目にします。
「こっくりとしたテクスチャーのクリーム」
「こっくりとしたエッセンス」
「こっくりクリーム新作お勧め」 ・・・
「こっくりしたクリーム」なんて、「サハラ砂漠」って言っているようなもの…。
(※ 「サハラ」=アラビア語で「砂漠」という意味)
国語辞典に掲載されている「こっくり」という言葉を提示し、改めてその解釈を試みる記事も見受けられます。
時代とともに固有名詞化し、新たなニュアンスへと言葉が変化することは過去にも起こってきた現象です。それは必然的な現象かもしれませんね。
私はこの言葉を見るたびに、なんとなく違和感を覚えながら眺めています。
今回はここまでとします。また講義でお会いしましょう。