化粧品業界トピックス

武庫川女子大学の平尾哲二先生が退官されました。

武庫川女子大学薬学部健康生命薬科学科の化粧品科学研究室で長年にわたり教授としてご活躍されていた平尾哲司先生が、今年の春に退官されました。

このたび、その退官を祝い、4月15日(土)「角層で見つけた不思議なこと」というテーマで平尾先生の最終講義が開催されました。

先生は、長年にわたり化粧品業界に対して豊富な知見を提供し、その貢献は計り知れません。この講義では、先生の研究の軌跡を辿りながら、皆で先生が歩んでこられたこれまでの年月を振り返る機会となりました。

【平尾哲二先生ご略歴 】
1979 東京大学薬学部卒
1984~2015 株式会社 資生堂リサーチセンター
1990~1997 アドバンストスキンリサーチ研究所出向
2015~2019 千葉科学大学薬学部教授 化粧品科学研究室
2019~2023 武庫川女子大学薬学部教授 化粧品科学研究室
2023~ 武庫川女子大学薬学部 特任教授

引用:化粧品科学研究室サイト

資生堂では、平尾先生が角層研究皮膚計測技術の開発、商品開発など、さまざまな形で同社の化粧品研究に大きく貢献されました。大学に入られてからも、引き続き化粧品研究の推進に力を注がれてきました。基礎研究や化粧品製剤開発に携わる私たちも、ほぼ全員が平尾先生の角層ワールドに魅了された存在と言っても過言ではありません。

平尾先生は、角層の剥離メカニズムCE(コーニファイドエンベロープ)成熟化、角層カルボニル化など、これまでに分かっていなかった新たな知見やその評価法の提案など、化粧品業界に多大な貢献をされました。その研究は、化粧品業界の皮膚研究を大きく前進させることにつながりました。また、その知見は資生堂の看板ブランドを中心とした同社のスキンケア理論に広く応用されています。

後任としては、元資生堂の渡辺啓先生が着任されました。渡辺先生も同じく化粧品業界で活躍されており、コロイド・界面科学分野の知見をベースに主に製剤開発に取り組まれています。私たちは、新たな要素が研究室に加わり、どのように進展していくのかを想像し、楽しみにしています。

平尾先生、長年にわたるご職務を無事に遂行されたこと、心からお祝い申し上げます。

退職後もますますのご活躍を楽しみにしております。