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「シワ改善」医薬部外品市場に新たな有効成分の誕生!抗シワ市場はさらに活性化するのか?

抗シワ医薬部外品市場についての最新ニュースです!

2023年4月14日に発表されたプレスリリースによれば、日本メナード化粧品はdl-α-トコフェリルリン酸ナトリウムM(VEP-M)を有効成分とした抗シワ医薬部外品の承認を取得しました。

引用:日本経済新聞プレスリリース🔗

VEP-Mはトコフェロール(ビタミンE)にリン酸基を付加させることで安定性を高めた「安定型ビタミンE誘導体」です。通常のトコフェロールは油溶性ですが、リン酸基が付加されることで水にも溶解しやすくなります。そのため、幅広いスキンケア製品に配合することが可能となります。

ビタミンE高い抗酸化力を持ち、身体の様々な老化を防ぐ効果があります。しかし、光や空気による酸化に影響を受けやすく、また油溶性であるため、化粧水などのみずみずしい使用感を持つスキンケア製品への配合は難しいとされてきました。



日本メナードは以前からVEP-Mの開発を進めており、2004年にはまず医薬部外品の「肌荒れ・あれ性」の有効成分として厚生労働省に承認されました。

今回は、その承認内容に効能追加として「シワを改善する」効能の取得にチャレンジし、見事に承認を取得しました。

日本香粧品学会「新規効能取得のための抗シワ製品評価ガイドライン」に基づき、シワ改善効果を確認する臨床試験が行われました。その結果、VEP-M配合製剤を12週間連用した際の試験や機器測定により、目尻の深いシワが顕著に改善されたことが確認されました。これらの結果をもとに厚生労働省から承認を受けました。

作用機序としては、以下の報告がされています。VEP-Mは表皮のバリア機能を担うセラミドの産生を促進し、さらに表皮のヒアルロン酸の産生を促進することで、水分蒸散を抑制し、水分を保持する働きを高めます。これにより、表皮の保湿機能が向上し、柔軟性が高まり、シワが改善される効果が確認されました。この作用機序は、他の既存の抗シワ有効成分とは異なるものであり、その有効性が確認されました。

VEP-Mはニールワン、レチノール、ナイアシンアミド群 に続く

「シワを改善する」を標ぼうできる4成分目の医薬部外品有効成分

※ ナイアシンアミド群には、ナイアシンアミド、ニコチン酸アミドW、ビタミンPP等が含まれるが、名称が違うだけで同成分

VEP-Mのシワ改善効果の承認取得は、日本メナードが日本で初めて達成したものです。

今後、日本メナード化粧品がどのような抗シワスキンケア製品にこの成分を採用していくのか、非常に楽しみですね!

また、この有効成分は一般的なグレードとして化粧品や医薬部外品の原料として販売されています。

今後、ナイアシンアミドのように多くの会社で広く使用される「汎用化」が進むのかどうかも、大いに注目されるところです!